70代の女性が「ロトくじで当たる番号を教える」と現金1,000万円を騙し取られるニュースの全容と詐欺師の実態

名古屋市昭和区の70代の無職女性が、「ロトくじの当たる当選番号を教える」として合計1,000万円を送金させたとして、県警は警戒を促している。

2013年5月20日（月曜日）、女性宅に「ロトくじが当たる権利が当たった」と電話がある。
1週間後の27日（月曜日）に、「500万円を送っていただければ当選番号を教える」と告げられ、女性は「ゆうパック」で現金を送金したという。

「ゆうパック」等で現金を送金するのは、もちろん違法行為である。
被害女性は、現金500万円を「ゆうパック」で東京都渋谷区内の個人宛ての住所に送った。

後日、詐欺グループから再び電話があり、「貴女が振り込む予定だったお金は出資法違反にあたる。あと500万円を送れば罪にならない」と言われ、同じ宛先に追加で500万円を送ってしまったという。
県警は、「現金をゆうパックや宅配便で送らせるのは詐欺グループの手口なので、絶対送らないで」と呼びかけている。

同月に富山県で起きた、「ロトくじの当選番号を有償で教える」と言われた52歳男性が1,600万円の詐欺被害に遭った事件と同様、この手の詐欺被害は一向に減らない。
今回は確かに高齢の女性が被害者だったので、騙し取られる確率は高まるのは致し方ない部分もある。

しかし、このような手口は、老若男女問わず、簡単に引っかかるのである。
もっと言えば、実際に警察に通報及び、少額訴訟をもせず、泣き寝入りする人間が圧倒的多数にのぼる。

今回の詐欺被害の場合、有無を言わさず典型的な「詐欺」被害と「高額な被害額」だったので、女性は警察に通報した。
ところが、インターネット上の「ロトくじ当選番号予想」を教える（或いは、予想ソフトを販売する）として被害に遭った人間の大多数は、泣き寝入りしている。

インターネット上で販売されている「ロトくじ当選番号予想」の金額は、数千円～5万円以内が相場である。
極めて少額な金額ではあるが、問題は、購入者のリスト（メールアドレス、電話番号等）が、詐欺グループの手に行き渡っている点だ。

ロトの予想を購入した層は、「当たらない」と不満を漏らして販売会社に訴求する。
詐欺販売会社は、「もっと高額な料金の予想なら精度が高い」として、更に高額な金を要求する。
その「高額な金」の相場は、30～50万円である。

最初に安価な予想を購入した層の約1％～8％は、その「精度の高い情報」に食いつく。
この、後から高額な情報をリストに販売することを、「バックエンド商品」と呼ぶ。

そのバックエンド商品で、詐欺師たちは更なる大きな利益を貪り食うのである。
※この場合、最初に販売した安価な商品は、赤字でも全く構わない。

これら詐欺グループは、かつて（そして現在も）のパチンコ攻略雑誌などに広告掲載している、「パチンコ攻略法」の販売などを手がけてきた組織が、昨今の流行メディアではるインターネット上に進出してきたことも挙げられる。
パチンコ攻略法であろうと、ロトくじ攻略法であろうと、中身は何も無い情報販売であるので、何をフロントエンド商品として販売しようとも関係ない。
特にインターネットは、販売コストが恐ろしく安価なので、効率的に集客することが可能で、しかも犯行の足が付きづらい。

“うまい話には罠がある”は誰でも周知の事実だが、いざ生活に困窮すると、思考はストップし、自分を救ってくれる最後の砦のように感じてしまうもの。注意されたい。

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